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2004.02.29

「おたく」の精神史 一九八〇年代論

「おたく」の精神史 一九八〇年代論

大塚英志による80年代論。非常に広い範囲に目が届いていて参考になる。巻末の年表は、ある意味で本編以上に雄弁かもしれない。

個人的な感想としては「宮崎勤」と「オウム真理教」に囚われすぎではないかとも感じる。ただ、それは大塚氏の経歴を考えたときには無理もないことであると納得はできるのだが。

それと、「おたく」的事象を一人の人間がカバーしきることは、最早不可能であるということを再確認できた。この本では、


  1. 徳間アニメ枢軸に対する、アニメック/OUT/ふぁんろ~ど/NewType他協商の動き

  2. ウォーゲーム-TRPG-ゲームブック-ネットゲーム等に関する動き

  3. フィギュア、ガンプラ等に関する動き


などについては殆ど言及がない。
2番目については、ゲーム・小説界における底流として、佐藤大輔新木伸篠崎砂美鈴木銀一郎賀東招二Liar-Softなどのバックボーンとして無視できない部分だと思うのだが。

「精神史」をより完全なものに拡げようとするならば、批評や文化論という立場ではなく、純粋に事象とその相関関係のみを記録しておくような、そういう仕事も必要かもしれない。

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2004.02.23

デビル17 (1) みなごろしの学園

デビル17 (1) みなごろしの学園

A君(17)の戦争」シリーズで、一風変わった異世界ファンタジー戦記を展開する豪屋大介の新シリーズ。

内容は、『バイオレンス&アクション』+学園もの+Hあり、という感じである。ただし、学園ものという部分はこの巻で完結してしまっているので、今後のシリーズでは別の要素が取って代わることになると思われる。

作者は後書きで「コードヒーロー」ものと規定しているが、この1冊のみを取り上げれば、「突然強大な力を手に入れてしまった少年を主人公とするアクション小説」として頭を空っぽにして楽しむのがよさそうである。少年のビルディングスロマンとしての展開は、続刊に期待。

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2004.02.08

SHUFFLE!(シャッフル!)

SHUFFLE! 通常版 DVD-ROM版

元Basilのスタッフが中心になって立ち上げた新規ブランドNavelの美少女ゲーム。

実質的な前作である『それは桜の舞い散るように』(以下『それ散る』)の雰囲気を引き継いだ佳作である。
プレイしていて心地よく、声の力を思い知らされる作品になっている。

キャスティングは適材適所と言える。メインヒロインは5人だが、そのうちの2人、リシアンサス(シア)役の佐々留美子と芙蓉楓役の籐野らんは『それ散る』に引き続いての出演。神界のプリンセスと完璧超人なポンコツヒロインを好演している。ネリネ役の松永雪希も、抑え目の演技で作品の雰囲気にマッチしている。
また、サブキャラにも非常に力が入っている。キャラクターも立っている上に、台詞も展開によってはメインヒロインよりも多いのではないかと思うくらいにしゃべってくれる。カレハ先輩(日向裕羅)と麻弓=タイム(香取那須巳)に至っては、非攻略ヒロインであるにも関わらず独自イベントまであったりする。

そして、残るメインヒロインが2人。
まず、時雨亜沙先輩。本作品最大の隠し球と言っていい。声を宛てている宝塚すみれは、ゲームにおいては本作品がデビュー作になるのではないかと思うが、聞いているだけで気持ちよくなれる演技を披露している。思わずマウスクリックで進めるのをやめて、オートプレイでじっくりと聞いてしまう。
そして、プリムラ。声は北都南。登場当初は、無表情なダウナー系のキャラクターなのだが、個別ルートに入ると、どんどん表情が豊かになっていく。そして、途中で主人公の呼び方が変わる。『お兄ちゃん』と。もはや殆ど反則である。北都南のロリ系の声で『お兄ちゃん』である。もう転がるしかないではないか。

結論としては、「とりあえずやれ。そして宝塚ボイスと北都ボイスに萌えれ。この2人だけでも十分に元は取れる」ということになる。妹属性の人にとっても損はない。お奨めである。

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2004.02.04

さっきゅば☆SOON!

さっきゅば☆SOON!

ネクストン/タクティクス系ブランドであるSCOREの第二開発チーム『しゅこあ!』の美少女ゲームである。原画は、「らぶらぶティータイム」「チェリーボーイにくびったけ」の千葉千夏、シナリオは「狂拳伝説クレイジーナックル」「ハートに火をつけて...」の朝凪軽

作品の内容については、公式サイトの方で非常に力の入った紹介が行われているので、そちらを参照してもらった方がよい。ここでは、感想とか印象を中心に述べてみよう。

まず原画。千葉千夏さんの絵を好きな人なら買いである。逆に、嫌いとかアラが目に付いてしまうという人は避けたほうが賢明。

次にシナリオ。はっきり言ってこの作品にシナリオというものはない。シチュエーションに任せて突っ走る妄想的な展開だけが存在する。朝凪氏の過去作品から熱血的な展開を期待したり、製品のコピーから背徳的な葛藤と心理ドラマを期待したりしても、そんなものはどこにもない。

そしてボイス。メインヒロインの一人シェラを担当する夏木琵琶さんの演技は、正直今ひとつかなと感じる。声のトーンとかしゃべりの調子が、わずかに場面に合っていない感じなのだ。まあ、2003年に本格的に活動を開始した新人さんであるから仕方ないという面はあるのだが。一方で、もう一人のメインヒロイン佐奈を演じる草柳順子さんの演技は流石である。『月は東に日は西に』のような非常に元気な女の子役もいいが、やはり、草柳さんの本領はこういう「上目遣いが良く似合う少し気の弱い女の子」だなと思う。

結果として、非常に人を選ぶ作品になっている。

  • 千葉千夏さんの絵が好きな人
  • 草柳順子さんの声が好きな人
  • アクトレスの初期作品が好きな人
にはお奨めだが、それ以外の人であれば、割りきりが必要かと思う。

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